ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則を読み直したらやっぱり名著だった
おはようございます。
がじぇったー (@hackmylife7) | Twitter
です。
名著を読み直したのでそのメモの公開
未だにAmazonで星4.4評価ってすごいですよね・・・
- 作者: ジム・コリンズ,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2001/12/18
- メディア: 単行本
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TL;DR(要約)
- 成長の最大のボトルネックは何より、適切な人々を採用し続ける能力である
- ほとんどの企業はごく少数、バスに紛れ込んだ不適切な人たちを管理する為に、官僚的な規則を作る。すると適切な人たちがバスを降りるようになり、不適切な人たちの比率が高まる。すると規律の欠如と無能力という問題を補う為にさらに官僚制度を強化しなければならなくなる
- 本当の重要な点は、なぜ偉大さを追求するのかではない、何故この仕事なら偉大さを追求せずにいられなくなるのかである。
- そこそこの成功で十分ではないのか、と問わなければならないのであれば、おそらく仕事の選択を間違えている。
要約
どの組織にも適用できる普遍的な答え、時代を超えた答えの追求が、本書のテーマ
どうすれば良い企業は偉大な企業になれるのか?
著名なリーダーが偉大にするわけではない。
経営陣との報酬の関係はない。
技術、企業買収は飛躍に関係がない。
優秀な人の水準
第一水準;有能な個人:才能、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする。
第二水準;組織に寄与する個人: 組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、組織の他の人たちとうまく協力する。
第三水準;有能な管理者: 人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する
第四水準;有能な経営者: 明確で説得力のあるビジョンへの支持と、ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える
第五水準の経営者; 個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる
第五水準の経営者は自尊心の対象を自分自身ではなく、偉大な企業を作るという大きな目標に向けている。自分自身には向けていない。
物静か、控えめ、謙虚、無口、内気、丁寧、穏やか、目だない、飾らない。比較対象企業の3分の2以上では経営者の我が強く欲が深く、この点が没落の一因になっていた。
- どれほど困難であっても、長期にわたって最高の実績を生み出す為に、必要なことを全て行う固い意思を持つ。
- 偉大さが永続する企業を築く為に、基準を設定し、満たさなければ満足しない。結果が悪いと自分の責任にする。他のせいにしない。
個人としての謙虚さ
驚くほど謙虚で、決して自慢しない
野心は企業に向ける。次の世代にいっそう成功を収められるように後継者を選ぶ。他の人たち、外部要因、幸運が会社の成功をもたらした要因だと考える。
静かな決意を秘めて行動する。魅力的なカリスマ性によってではなく、主に高い基準によって組織を活気づける。
第3章誰をバスにのせるか
飛躍した企業が層の厚い強力な経営陣を築き上げているのに対して、比較対象企業では、一人の天才を千人で支える方式をとっている場合が多かった。
適切な人材こそが最も重要な資産。
採用ではどういう人物なのか、どういう価値観を持っているのかに注目する。
優れた業績を上げる人たちは業績向上を強く願っていて、これを仕事の原動力にしている。
飛躍した企業は最高の人材を最高の機会の追求に当てており、最大の問題の解決には当てていない。比較対象企業はその逆。
偉大な企業への飛躍を導いた指導者は、まず始めに適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスからおろし、次にどこに向かうべきかを決めた。
誰を選ぶか、ということをまず決めて、そのあとに何をすべきか、を決める。
第五水準の経営者は業績向上の戦略としてレイオフやリストラを使うことはない。
人事において
- 疑問があれば採用せず、人材を探し続ける。成長の最大のボトルネックは何より、適切な人々を採用し続ける能力である。
- 人を入れ替える必要があることがわかれば、行動する。
どういう人が適切な人材なのかは、専門知識、学歴、業務経験より、性格と基礎的能力によって決まる。
第4章
最後には必ず勝つ
厳しい現実を直視する姿勢がない場合には、正しい判断を下すことはできない。
リーダーシップの要点はビジョンである。これは事実。だがそれと変わらぬほど重要な点に、真実に耳を傾ける社風、厳しい事実を直視する社風を作ることがある。
第五水準の経営者は上司が意見を聞く機会、そして究極的には真実に耳を傾ける機会が十分にある企業文化を作り上げている。
偉大さへと導くとは、まず答えを考え、理想を実現するビジョンに向けて人々の意欲を引き出すことを意味しているわけではない。
答えを出せるほどには現実を理解できていない事実を謙虚に認めて、最善の知識が得られるような質問をしていくことを意味する。
ストックデールの逆説
最後には必ず勝つという確信、これを失ってはいけない。それがどんなものであれ、自分がおかれている現実の中で最も厳しい事実を直視しなければならない。
カリスマ性は強みになると同時に、弱みにもなりうる。経営者が強い個性を持っている時、部下が厳しい現実を報告しなくなりかねない。
大事なことはやる気を引き出すかではない、適正な人たちがバスに乗っていれば、全員意欲を持っているはず。問題は人々の意欲をくじかないようにするにはどうすればいいか、ということ。
第五章
単純明快な戦略
自社が世界一になれる部分はどこか?コアコンビタンスがどこにあるかよりも難しい。
経済的原動力になるのは何か?鋭い分析によってキャッシュフローと利益を継続的に大量に生み出す最も効率的な方法を見抜いているか。具体的には財務実績に最大の影響を与える分母を一つ選んでXあたり利益という形で目標を設定する
情熱を持って取り組めるのは何か?どの様な事業になら情熱が持てるか。
個人に重ねると、
- 第一に持って生まれた能力にぴったりの仕事であり、その能力を生かして世界でも有数の力を発揮できるようになる。自分はこの仕事をするために生まれてきたんだ
- 第二に、その仕事で十分な報酬が得られる。(これをやってこんなにお金がもらえるなんて夢のようだ)
- 第三に自分の仕事に情熱を持っており、仕事が好きでたまらず、仕事をやっていること自体が楽しい。
どこにも負けない事業になりうる部分だけに注力することが、偉大な企業への唯一の道である。
比較対象企業は適切な問い、三つの円で示された問いを立てていない。
目標と戦略を設定するに当たって、現実の理解に頼るのではなく、虚勢に頼っている。
この点で世界一になれる、というのは事実の認識である。
針鼠の概念の確率は、評議会が有益な手段になり得る。
第6章
人ではなく、システムを管理する
ベンチャー企業が偉大な企業になる例は極めて少ない。これは成長と成功への対応を間違えるからだ。
ベンチャー企業が成功する要因は想像力と創造力、未知の領域への大胆な進出、先見性に基づく熱意によるものだが、官僚制度と階層制度の膨張に嫌気がさして優秀な人が次々とやめていく。
ほとんどの企業はごく少数、バスに紛れ込んだ不適切な人たちを管理する為に、官僚的な規則を作る。すると適切な人たちがバスを降りるようになり、不適切な人たちの比率が高まる。すると規律の欠如と無能力という問題を補う為にさらに官僚制度を強化しなければならなくなる。
偉大な企業ははっきりと一貫したシステムを構築している、
そしてその中で従業員に自由と責任を与えている。自ら規律を守るので管理の必要のない人たちを雇い、人間ではなく、システムを管理している。
偉大な企業では第五水準の経営者が持続性のある規律の文化を築き上げている。それに対して持続できなかった企業は第四水準の経営者が強烈な力を発揮し、一人で組織に規律をもたらしていた。
偉大な企業は極めて単純な原則を守っている。針鼠の概念に合わないものはやらない。ということだ。事業進出、買収、合弁事業、例外は認めない。
規律の文化は行動だけでなく、規律ある考えができ、行動できる人材が必要である。
飛躍した企業は極端なほど勤勉で、驚くほど徹底して仕事に取り組む人たちが大勢いる。
やめるべきことのリストは、やるべきことのリストよりも重要。
偉大な業績を持続させる為に最も重要な点は、針鼠の概念を熱狂的ともいえるほど信望し、三つの円の重なる部分に入らないものであれば、どんな機会でも見送る意思を持つことである。
第7章 新技術に振り回されない
偉大な企業は技術の流行に乗るのを避け、慎重に選んだ分野(自社の針鼠の概念に直接に適合しているか)の技術の利用で先駆者になっている。
偉大な企業が先駆的な技術の利用によって転換を始めたケースはない。
技術の変化に偉大な企業は思慮深く、創造性豊かに対応し、自社の可能性を実現したいとの同期によって行動する。凡庸な企業は受け身になって右往左往し、取り残されることへの恐怖によって行動する。
第8章 劇的な転換はゆっくり進む
外部からみると改革は急だが、内部からみたらゆっくり。転換の動きに名前もつけていない。適切な人たちが何よりも望んでいることは勝利に向かって進んでいるチームの一員にになること。
飛躍の過程は「一貫性」というキーワードにあらわされる。
第五水準の経営者は弾み車の方式に自然に惹かれる。派手な方針を打ち出してこれぞ指導と見られることはまず望まない。考え抜かれた静かな過程によって弾み車を押し続け、誰の目にも明らかな実績を生み出すことに関心がある。
比較対象企業は準備段階を飛び越して、一気に突破段階に入ろうとする。
第9章 ビジョナリーカンパニーへの道
偉大な企業にとって利益とキャッシュフローはちと水のようなもの生きていくには必要不可欠なものだが、生きていく目的ではない。
ヒューレットパッカードの言葉
「一生の仕事を振り返った時、多分最も誇りに思っていることは、価値観、行動、成功によって世界の企業の経営方法に大きな影響を与えた会社になれたことだ。」
永続する偉大な企業は、基本的な価値観と目的を維持しながら、事業戦略や事業環境は世界の変化にたえず適用している。これが基本理念を維持し、進歩を促す魔法の組み合わせである。
この本全体の要点は、働き過ぎがさらにひどくなるようにすることではない。
今実行している点のうちかなりの部分が力の無駄遣いであることを認識し、仕事時間のうち半分以上をこれら原則の適用に当て、それ以外の点は大部分無視するか、中止すれば、人生が単純になり、実績がはるかに向上する。
本当の重要な点は、なぜ偉大さを追求するのかではない、何故この仕事なら偉大さを追求せずにいられなくなるのかである。
そこそこの成功で十分ではないのか、と問わなければならないのであれば、おそらく仕事の選択を間違えている。
- 作者: ジム・コリンズ,山岡洋一
- 出版社/メーカー: 日経BP
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